着任挨拶

令和5年6月23日
Consul General
Kia Ora!皆様こんにちは!
このたび新任の日本国総領事として6月15日に着任した松居眞司です。今回赴任して初めてニュージーランドの地に足を踏み入れました。
 
私は、1989年に外務省に入省し、領事局では2020年にコロナの緊急国際対応にも加わり、次いで本年5月まで国際協力局でウクライナ侵略による国際法違反や公共輸送の供給網や情報通信の安全等を脅かす地球規模課題に対処する国際機関のルール作り等への日本の貢献に携わってきました。これらの経験と頂いた助言を踏まえ、当地の皆様から学びつつ、特に次の3点を重視して総領事館の今後の取組をリードしてまいります。
 
第一に、当総領事館が管轄するオークランド、ノースランド、ワイカト、ベイオブプレンティ及びルアペフ地区にお住いの1万人を超す在留邦人の皆様の安全の確保を最優先に、必要な情報提供、対処いただくべき事態等について引き続き迅速にきめ細かくお知らせしてまいります。また、いざという時の確認を円滑に行い、在留届に登録いただいた方や把握できた方々を誰一人取り残さないため、平素から当地の皆様に提供する領事サービスを通じ、日本人会の皆様とも手を携えて、学校教育やJapan Dayなどでも情報発信やお付き合いの広がる機会を大切にしていきます。
 
第二に、ここオークランドは、人口の約3割、経済の約4割が集中する最大都市であり、日本との関係でも、文化や経済を中心に大変重要な都市です。当地でJETプログラムやワーキングホリデー制度を通じた若者交流、長年友好親善の絆を人材・文化交流や相互訪問の草の根交流を通じて発展してきた姉妹都市交流、環太平洋経済連携協定の下で益々緊密な経済を背景に農林水産や再エネ事業等を進める日本企業の展開、ラグビー等のスポーツ交流や日本武道を通じた交流、人材育成、留学・教育・研究交流の再開と活発化のサポートや橋渡しなど、日本と日本人を元気にするお手伝いをいたします。特に本年7月は、FIFA 女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド 2023が開催されます。なでしこジャパンを応援し、そして両国の人と人との交流を深めていきたいと思います。
 
第三に、コロナ以前の活動と交流の日常を取り戻しつつあるオークランド等の交流と活動が、しなやかに他の複合リスク(地震・津波、サイクロンや未知の感染症リスクのほか、平和と安全の維持、法の支配、経済社会の持続可能性等に対して遺憾ながら存在するチャレンジ)を知った上で、両国の次世代に持続可能な未来創りとSDGs達成に向けた取組の理解と実践を引き継ぐ担い手を増やすことにつながるよう、何ができるか皆様と一緒に考えてみたいと思います。日本の強みを活かして、経済社会分野での更なる協力、ひいては両国間の戦略的協力パートナーシップの強化にも資するものと考えます。
 
着任前に日本でお会いしてお話を伺うことができた両国間の交流やビジネス展開に携わる関係者の皆様からは、今年以降の当地での交流の再開や訪問に向けて期待が示されるなど、コロナ以前の状況を取り戻しつつある人流・経済活動を踏まえ、心強いお話を伺うことができました。クーパー駐日ニュージーランド大使からは、「ニュージーランドには、マオリの精神に由来し、敬意をもって他者を迎え入れ、その文化には関心を持って心づくしのおもてなしをしたいと思う気質があり、多様性と共感、新しい視点で世界を捉えることを大切にする教育も根づいていますから、自身の国際情勢や地球規模課題に対する見方や日本の取組に携わった経験などはそのまま持ち込めば、きっと新鮮なお付き合いが始まり、私を含めキウイの人々は興味を示しますよ」と勇気づけられる言葉を頂きました。在京大使館、自治体の市長、副市長始め職員の皆様、日本企業、研究機関のリーダー等の皆様からのエールと真摯なアドバイスに心より感謝申し上げます。
 
在オークランド日本国総領事館の活動に対して、引き続き皆様からの率直なご意見や助言、ご理解とご協力を賜りますよう宜しくお願いいたします。
 
2023年6月
在オークランド日本国総領事 松居眞司