中村敬志 AIC NZ (Academy for the International Community NZ Ltd) 取締役

平成29年3月27日
Auckland International Collegeの運営会社AIC NZにお勤めの中村敬志さんは、1993年に山陰合同銀行に入行し、その後1996年から2年間研修のため北京に滞在しました。それをきっかけに海外で働きたいという意欲が強くなり、2006年にAIC NZの親会社「鷗州コーポレーション」に転職し、オークランドに赴任されました。中村さんは「銀行の仕事にもやりがいを感じていましたが、グローバル教育の重要性は当時から感じており、AIC NZの事業方針に強く共感した次第です。入社以来、経理、財務、人事等の業務に従事し、現在に至っています」と述べています。
 
Auckland International Collegeは、NZ教育省認可の私立高等学校(3年制)です。2003年に開校し、NZでは唯一のIB(International Baccalaureate)プログラム専門校で、主にアジアからの留学生と地元生、合計約300名が在籍しています。中村さんに同校の特長や教育理念について伺いました。
「当校での授業の様子を見ていると、日本の教育との違いがよくわかります。授業では常に教師が生徒に発言を求めます。また、試験の一環として生徒がプレゼンテーションを行う必要もあります。また、全ての生徒が卒業までに英文で4,000単語前後の論文を提出することが義務付けられています。客観的に見て、非常に高度な能力と努力を必要とするプログラムであると思います。一般的に日本人は「out put」すなわち、書く、話す能力が欠けていると言われています。日本人がこれからのグローバル社会を生き抜いて行くために必要なスキルを伸ばすために、IBのプログラムは大変適していると考えます。また、英語が出来ればそれでグローバル人材と言えるかというと、そうではないと考えます。民族、国籍が違えば、価値観も様々です。高校生という多感な時期に、異なった文化的・思想的背景を持った生徒たちと学校生活を過ごすことにより、生徒たちは更に成長出来るのではないかと思います」
 
同校は世界の名門大学への高い進学率を誇り、国際社会で活躍する人材の育成を目指しています。中村さんに今後の抱負について語っていただきました。
「生徒の努力、教職員のきめ細やかなサポート体制により、当校の生徒は世界中の名だたる大学からオファー(合格通知)を受けています。今後もこのような結果を出せるように一同努力し、生徒・保護者の皆様のお役に立てる学校になりたいと考えています。残念ながら、日本からの留学生はなかなか増えません。金銭的な問題もあると思いますが、やはり日本人にはグローバルに活躍出来る社会人になりたいという意欲が薄いように思います。日本は、居心地が良すぎるのでしょうね。それ自体は良いことなのかもしれませんが、日本がこれからも世界から尊敬を集める国であるためには、グローバルに活躍出来る人材が必要だと思います。もっと多くの日本人に本校の高いレベルで勉学に励んでもらい、真のグローバル人材となって欲しいと考えています」