アンナ・フィッシャーNZ文部科学省留学生会オークランド支部会長

平成28年12月16日
NZ文部科学省留学生会オークランド支部会長のアンナ・フィッシャーさんは、1987年から1年間オークランド大学卒業者交換留学生として上智大学で学んだ後、1990年から1992年までJETプログラムの国際交流員(CIR:Coordinator for International Relations)として静岡県に勤務しました。その後、ロンドンで大手日本保険会社に勤務しながら、日本語能力試験1級を取得。1993年にNZに帰国後、日本語と英語の通訳・翻訳業、日本語観光案内を行う「Kea New Zealand Ltd」を設立、2008年にNZ文部科学省留学生会オークランド支部会長となり、現在に至ります。
 
NZ文部科学省留学生会オークランド支部会長として、留学生制度への協力・支援を行うほか、日頃から当地で行われる日本文化祭、日本映画祭、各種日本関連行事等に積極的に参加するとともに、その情報を同会会員と共有し、日・NZの文化交流の促進に貢献しています。
 
2011年、オークランド大学院にて修士号(翻訳学)を取得、NZ翻訳者・通訳者協会(New Zealand Society of Translators & Interpreters)に所属し、日本文化関係行事での司会、NZへの視察旅行や個人旅行に関する手配・案内も務めています。特に自身の日本での滞在経験により日本文化・習慣に精通していることから、より細かく多様なニーズに合わせた通訳を行っています。
 
本年9月に開催されたオークランド・福岡姉妹都市30周年記念行事の司会や同関連行事でのレン・ブラウン前オークランド市長の通訳を務めたアンナさんは、「通訳を通して、様々な分野を研究するチャンスをいただけることが素晴らしいです。地熱発電、高齢者福祉制度、中古車輸出入等の色々な産業や制度を現場で見て体験して、NZ経済の最新状況を理解できます。各分野に関する専門用語を身に付けることは大変ですが、これも一つのチャレンジで、これらの経験で得た知識はまたいつかに役に立つと考えています」と述べています。
 
また、最近の通訳業務の中ではラグビーが主要なテーマとなっており、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップの研修視察のためにいくつかの日本の地方自治体がNZを訪問しており、今後も同じような視察訪問に対応する機会が増えることが見込まれます。他には、NZにて震災後の福島県の観光プロモーションを推進する団体の通訳、NZ教育制度について研修する日本全国連合小学校長会の通訳等も務め、その活躍の場を広げているアンナさんは、今後の目標として、「仕事を通して、日本語や日本文化を楽しんで研究し続けたいと考えています。もう日本に住むチャンスはないと思いますが、ここNZでできるだけ日本語を使ったり、日本人コミュニティをサポートしたりしたいです。JETプログラムに参加した時、『日本とNZの架け橋』が強調されましたが、現在も将来もこの役割が重要であると考えます」と述べています。